♡フィラリア症について
フィラリアの虫は蚊が運んできます。
フィラリアを持った蚊に刺されると、刺し傷からフィラリアの子虫がわんちゃんの体内に侵入します。子虫は皮下組織や筋肉の中で成長して、血管の中に侵入します。血液の流れに乗って心臓にたどり着いた子虫は、成虫に成長して子虫を産みます。
フィラリアにより損傷を受けた血管では炎症が起こり、循環不全を引き起こします。重篤な場合は大静脈症候群と呼ばれる病態に陥り、心原性ショック、肝不全、腎不全、血色素尿などの症状が見られます。
軽症であれば治療が可能ですが、重症な場合は治療が困難で死に至ります。
怖い病気ですが、定期的な予防処置で感染の阻止ができます。
近年ではフィラリアの予防が一般的になり、フィラリア症の数は減りました。しかし、豊中市においてもフィラリア症が根絶されたわけではなく、愛犬の予防が重要であることには変わりありません。
♡フィラリア予防について
予防薬は4月16日〜5月15日の間に1回目を投与し、その後は1ヶ月に1度のペースで投与していきます。
11月16日〜12月15日の投与をもって、予防シーズンの終了となります。
シーズン予防の前には、フィラリア検査を受けましょう!
フィラリアに感染しているわんちゃんにフィラリア予防薬を投与すると、体に異常をきたして死に至る場合があります。予防シーズンの初めに、検査でフィラリアに感染していないことを確認しましょう。
フィラリア検査って何を調べているの?
フィラリア検査はフィラリアに感染していないかどうかを確認する検査です。
当院のフィラリア検査では、抗原検査とミクロフィラリア検査の2種類を行っております。
抗原検査単独ではフィラリアに感染したわんちゃんであっても見かけの陰性(偽陰性)が生じるリスクが否定できないため、ミクロフィラリア検査など複数の検査を組み合わせることが大切とされています。
抗原検査:
フィラリアのメスの成虫の存在を検査します。最短でも感染後5ヶ月以上の経過で検出可能となります。
ミクロフィラリア検査:
血液中のフィラリアの子虫の存在を検査します。最短でも感染後6ヶ月以上の経過で検出可能となります。
フィラリア検査の適正な時期ってイツなの?
上記の通り、検査でフィラリアが検出できるようになるには最短でも感染してから5ヶ月が必要です。早すぎる検査は感染の見逃しにつながりかねないので、当院では推奨しておりません。例えば10月にフィラリアに感染していた場合、2月の検査では陰性で、予防薬を投与する4月に再検査すると陽性なんてこともあるわけです。フィラリア検査はフィラリア予防薬投与の直前、少なくとも投与前1ヶ月以内に実施することを推奨します。
当院では、フィラリア予防薬のシーズン初回投与を4月16日〜5月15日の間に推奨していますので、検査期間は3月16日〜5月15日を推奨しています。
フィラリア予防薬は、実は駆虫薬!
これは勘違いされている飼い主様も多いのではないでしょうか?
フィラリアの予防薬って、実は駆虫薬なんです!
ワクチンやノミ・マダニの予防は、先に処置をすることで感染を防ぐことができます。しかし、フィラリアの予防は違うのです。フィラリアの予防では、フィラリアが体内に入ってから定着する前に全て倒して(駆虫して)しまっているのです。つまり、フィラリアは体に入った後に処置(駆虫)をすることで感染の成立を阻止しているのです。
フィラリアは蚊が運んできますので、最後の蚊が見られなくなった後に最後の処置をすることがとても大切になります。シーズン最後の投薬がとても大切ということですね!
フィラリアの予防期間はいつからいつまで?
当院では、フィラリアの予防推奨期間を5月1日前後(4月16日〜5月15日)〜12月1日前後(11月16日〜12月15日)の8ヶ月間としています。
正確には蚊が見られだしてから初回投与を行い、蚊が見られなくなった後に最後の1回を投与して終了となります。
フィラリア予防の種類
フィラリアの予防薬はいくつかの種類を準備しております。わんちゃんの好みに合わせてお選びいただけます。
フィラリア、ノミ、マダニを
全て予防できるおやつタイプ
フィラリアとノミを予防できる
背中につけるタイプ
フィラリアだけ予防の
錠剤とおやつタイプ
♡フィラリア検査+健康診断キャンペーンについて
当院の健康診断は、以下の通り4つのコースを準備しております。
最低限の Aコース |
フィラリア検査のみ |
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ヤング推奨 Bコース |
フィラリア検査+健康診断10項目 |
シニア推奨 Cコース |
フィラリア検査+健康診断18項目 |
がっつり健診 Dコース |
フィラリア検査+健康診断23項目 |
さらに今年は、昨年よりも各コースの項目数が増えて、割引もよりお得になりました!価格については当院までお問い合わせ願います。
それぞれのコースの検査項目は以下の通りです。
わんちゃんの年齢や治療歴などをもとに、どのコースにするか選んでください。
もちろん、ご来院いただいてから獣医師にご相談いただいても結構です。
年1回の健康診断はとても大切です。ぜひご検討願います。
Aコース | Bコース | Cコース | Dコース | 項目の説明 |
---|---|---|---|---|
F-Ag | F-Ag | F-Ag | F-Ag | フィラリア抗原検査 |
mf | mf | mf | mf | ミクロフィラリア検査 |
CBC | CBC | CBC | 赤血球数や白血球数など | |
Na | Na | Na | 塩分電解質のバランス | |
K | K | K | ||
Cl | Cl | Cl | ||
TP | TP | TP | 蛋白成分 | |
ALB | ALB | |||
GPT | GPT | GPT | 肝臓や胆汁など | |
GOT | ||||
ALP | ALP | ALP | ||
GGT | GGT | |||
TBIL | TBIL | |||
NH3 | ||||
GLU | GLU | GLU | 血糖値 | |
SDMA | 腎臓など | |||
BUN | BUN | BUN | ||
CRE | CRE | CRE | ||
Ca | Ca | |||
iP | iP | |||
LIP | LIP | 膵臓 | ||
TCHO | TCHO | 脂質代謝など | ||
TG | TG | |||
CRP | 急性炎症 | |||
T4 | 甲状腺ホルモン |