口蓋裂とはお口の天井に穴が開いていて、お鼻の中とつながってしまっている状態です。模式図にするとこのようになります。

正常

口蓋裂

鼻とお口が繋がっていると、食べたものが鼻の中に流れていってしまうので慢性的な細菌性鼻炎になってしまいます。細菌性鼻炎は悪化すると感染が脳に広がってしまい細菌性髄膜脳炎を併発し、痙攣などの神経症状を起こしたり死に至る場合もあります。手術では鼻粘膜とお口の粘膜の穴を塞ぎます。お口の粘膜は硬く脆いので、穴の横を切開して縫合によるつっぱりを解消します。

写真の子は穴が大きかったこともあり、術後しばらくの間は食道に通したチューブからご飯を与えていました。現在はチューブも取り除いて、お口から普通にご飯が食べられるようになり、慢性鼻炎も改善しています。