今回切除した腫瘍は非常に悪性度の強い扁平上皮癌です。周りの組織に入り込んで広がっていく力(浸潤性)が強く、手術しても取りきれずに残ってしまう可能性が考えられました。そのため、腫瘍が入り込んでいる可能性のある領域(マージン)を余裕を持って切除できるように手術計画を立てました。
術式は【部分的陰茎切断術】と呼ばれるもので、ペニス、包皮、睾丸、陰嚢を切除して、陰嚢があった場所に尿道を開口させます。模式図で表すと下図の通りです。

実際の写真がこちらです。

術後の感染や出血が問題になりやすい術式ですが、順調に経過してくれました。
現在は排尿も普通にできて、飼い主様にもご満足いただいております。