• お耳が汚れている。
  • お耳をやたら掻く。
  • お耳から変なにおいがする。

などの症状がワンちゃん猫ちゃんで見られたら、外耳炎の可能性があります。
外耳炎とは鼓膜よりも外側の耳道の炎症のことで、アレルギーや細菌、カビ、寄生虫など様々な原因によって発生します。


細菌やマラセチアといった感染症は、外耳炎でよくみられる原因の一つです。

細菌(表皮ブドウ球菌) 
          
マラセチア(カビの一種)

子猫、子犬の外耳炎ではミミヒゼンダニ(通称ミミダニ)がみられることもあります。

ミミヒゼンダニ

 

上記は普段の診療でみられる一般的な原因であって、ほかにも緑膿菌や腫瘍など、まれなケースも複数存在します。アレルギーが疑わしい場合はアレルギーの検査をご提案することもあります。

治療
  • 毛抜き
  • 外耳処置(お耳のお掃除)
  • 点耳薬
  • 内服薬
  • 手術
外耳炎の治療では、お耳のお掃除が基本になります。細菌やマラセチアの餌になる耳垢を洗い流してお耳をきれいな状態にすることは、とても大切です。シュナウザーやプードルなど一部の犬種は、耳の中にも毛が生えています。お耳のお掃除をしても、耳垢や細菌がこの毛にからまってうまく取れないことが多いため、必要に応じてお耳の毛を除去してからお掃除することもあります。

きれいになったお耳には、点耳薬を入れます。点耳薬にはいくつかの種類があります。基本となるのは抗生剤+抗真菌薬+消炎剤の組み合わせで、細菌やマラセチアによる外耳炎に有効です。当院では、必要に応じて抗生剤のみの点耳薬や、銀イオンによる殺菌効果を持つ点耳薬など複数の点耳薬を使い分けています。

長期作用型点耳薬

外耳炎の治療では、上記のお耳のお掃除+点耳薬を週に1~2回の通院で何週間も通院することが多いです。飼い主様やワンちゃんによっては、何度も通院するということが、大変だと感じられるかもしれません。

当院では、長期作用型の点耳薬を用いることで、月2回の通院で外耳炎の治療が可能です。

重症度や原因によってはこの治療法の適応に当てはまらないこともありますが、ご興味のある方は一度ご相談ください。

お耳のお掃除だけでは治療が困難な場合は、抗生剤や消炎剤などの飲み薬を処方することがあります。特に重度の外耳炎の場合は、お耳に触っただけでもすごく痛がったりすることがありますので、飲み薬で痛みを和らげてからお耳のお掃除をします。

最後に、外耳炎の治療で大事なこと
外耳炎の治療でとても大切なことは、『毎回しっかり治すこと!』です。

外耳炎はアレルギーなどの体質が関係していることも多く、治っても繰り返し外耳炎になることが多い疾患です。アレルギーに対する治療など、再発の予防も考慮して治療しますが、実際はそれでも外耳炎の再発は少なくありません。

外耳炎が慢性経過すると、耳道の皮膚は分厚く変性してきます。変性が進むと耳の穴はだんだん狭くなり、通気性の悪いじめじめした環境になってきます。こうなると喜ぶのは細菌やマラセチアたちで、外耳炎はさらに悪化していきます。

外耳炎が悪化していくと、炎症が中耳、内耳とどんどん耳の奥に進んでいきます。三半規管のある内耳に炎症が起こると、ワンちゃんは目が回った状態になってふらついて立てなくなったり、嘔吐したりします。この状態を末梢性前庭疾患といいます。

また、耳道の皮膚の変性がさらに進むと、最終的には耳の穴が塞がってしまいます。耳の穴が塞がった状態で末梢性前庭疾患を繰り返す場合には、耳道を取り除く手術が必要になります。

外耳炎、耳がかゆいだけだと思って軽く考えていると、大事になる場合もあるということです。そうならないために最大限できることが、『毎回しっかり治すこと!』です。

おうちの子がお耳をかゆがって、あれ?もしかして…、と思われたら、当院に一度ご相談ください!